診療行為に関連した患者の死亡・傷害の報告について

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/49256fe9001ac4c749256c5a001d67c5/$FILE/siryou2-2.PDF

医療において第一に尊重されなければならないのは患者の安全である.診療に従事する医師は,患者の生命・身体に対して大きな責任を負っており,医療の質を確保し,高い職業倫理を貫いて業務を遂行しなければならない.近年,重大かつ明らかな医療過誤が少なからず発生し,患者の死亡・傷害を引き起こすとともに,国民の医療に対する信頼を著しく損なった.医療従事者の一人一人は深くその責任を自覚するとともに,このような現実を真摯に反省し,徹底した事故予防対策に取り組む必要がある.そして,万が一,医療過誤により患者に被害が生じた場合には速やかな救済が行われなければならず,また,同様の過誤を二度と生じさせないよう,詳細に事故原因を分析し,実効的な対策を講じなければならない.これらの観点からは,法律上の問題から離れても,医療過誤により患者の死亡・傷害を起こしてしまった場合には,何らかの報告がなされることが必要である.医療過誤の防止は,直接の診療担当者だけでなく,病院管理者を始めとする医療機関の職員全員の責務であり,また,憲法38条1項は刑事責任に問われる可能性のある自己に不利益な供述を強制されない自由を保障している.しかし,医師に求められる高い倫理性を考えるならば,このような報告は,まずもって,診療に従事した医師によって自発的に為されることが求められる.

昨日のコメント欄の。日本外科学会雑誌第103巻第9号に載った、いわゆる「外科学会の異状死ガイドライン」。「合併症死は勘弁してください。あと、将来的には専門的機関を作ってくれませんか」というのが基本スタンスだが、医療不信に対する自浄作用を発揮したつもりなのか、「医者なら黙秘権を行使するなんて倫理的に許されないよね。過誤があったら(医師法21条「異状死の届出」に直接関係ない「重大な傷害」の場合を含めて)自発的に警察に届け出よう!」と言ってみたら、広尾事件で最高裁に「じゃあ医師免許を与えられる代わりに黙秘権は制限されても仕方ないよね」と言われちゃったって話。


もう一つ今日学んだこととしては、交通事故と医療過誤の競合の㌧デモ学説の存在……なんだが、そもそも前提がよく分からん。判決読んでも分からん。そもそも法律を勉強したことないのに分かるはずがないですが。「『交通事故→医療過誤→死亡』の場合、死亡という結果(損害)は不可分一体。事故と過誤は共同不法行為だから原告は損害に対して全額賠償請求する権利があるし、その責任は交通事故を起こした会社と病院の連帯責任。で、この裁判は病院が訴えられているからとりあえず病院が全額払え」ってことですか。これ病院は後から会社にある程度求償できるんですかね。