出産後の女性死亡、産科医に無罪 名古屋地裁、過失認めず

http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070227/jkn070227020.htm

閉廷後、夫(33)は「過失がないなら、何で亡くなるのか。妻に報告できない」と話した。

ピンポイントに医者の琴線に触れる言葉を……。

桑山被告は平成12年8月31日、主婦が男児を出産した際、子宮に生じた裂傷を見落とした上、輸血や設備の整った病院への転院を怠り、出血性ショックで死亡させたとして、15年8月に略式起訴された。名古屋簡裁から罰金50万円の略式命令を受けたが、桑山被告は無罪を主張し正式裁判を求めたため、公判が進められていた。

略式起訴で報道もされずに罰金刑、なんて医療事故は多いんだろうね。大野病院事件だって逮捕が無ければ医療側も総スルーだっただろうに。検察は寝た子を起こしてしまったわけやね。
ちなみにこの事故の民事訴訟は子宮頚管裂傷の存在は否定、転送義務を怠った過失*1を認めて7700万、被告側控訴中*2。……なんで司法解剖で判明したはずの子宮頚管裂傷がことごとく否定されてますか?

朝日
http://www.asahi.com/national/update/0227/TKY200702270293.html

産婦人科医に無罪判決 出産直後の死亡事故で名古屋地裁
名古屋市港区の産婦人科医院で00年、出産直後の主婦(当時31)が死亡した事故で、医療ミスがあったとして業務上過失致死の罪に問われた医師桑山知之被告(48)の判決公判が27日、名古屋地裁であり、伊藤新一郎裁判長は無罪(求刑罰金50万円)を言い渡した。
判決によると、主婦は00年8月31日午前、同医院に入院。男児を出産した直後に大量に出血し、同日夜に出血性ショックで死亡した。
公判では、子宮の出口にある子宮頸管(けいかん)が裂けていたのが原因で出血性ショックに陥ったのかどうか▽施設や人員が整った大病院への搬送を怠ったと言えるか――が主な争点だった。
検察側は「子宮頸管裂傷を見落としたうえ、早期に転院させる決断をしなかった過失がある」と主張。弁護側は「子宮頸管裂傷は存在せず、検察側が指摘する時点で転院させても救命できなかった」と反論していた。
事故をめぐっては、遺族が冷凍保存していた遺体を愛知県警が司法解剖し、桑山被告を01年11月に書類送検。桑山被告は03年8月、名古屋簡裁で罰金50万円の略式命令を受けたが、無罪を主張して正式裁判を求めた。
遺族は、桑山被告らに損害賠償を求める民事訴訟を起こし、名古屋地裁は昨年9月、約7700万円の支払いを命じた。民事の判決は、子宮頸管裂傷の存在を認めず、転院が遅れた点について責任を認めた。桑山被告は判決を不服として控訴している。

*1:「出血性ショック状態の主婦を早期に大病院へ運んでいれば、死を回避できた可能性があった」(当時の朝日記事)

*2:一審判決文:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20061116193341.pdf