タミフル

いつぞやの経験から、厚労省は販売や使用を禁止できるものなら今すぐにでも禁止したいはず。でも研究結果が因果関係に否定的である以上、禁止するには理由付けが弱すぎてできない。……厚労省は既に叩かれつつあるけど、たぶんこういう板挟みの状況かなー、と。だからこそ、「タミフル服用に関係なくインフルエンザ患児から目を離すなという異例の注意喚起」という何だかよく分からない対応につながるのだろう*1。即時撲滅派から見ても因果関係未証明なんだからとりあえず様子見でいいじゃん派から見ても中途半端ではあるのだが、厚労省としては他に動きようが無い。それにしても、仮に今後の研究で結果がひっくり返った場合、やはり今回も現在の厚労省の担当者と研究班の人間が吊るし上げられるのだろうか。個人的にはこれが一番の関心事。
まあ、若い患者は飲まなくてもよほど運が悪くなければインフルエンザでは死なないわけで*2、世界消費量の3/4を日本で消費なんてわけの分からん状態を補正するにはちょうどいいくらいの騒動じゃないか、とも思ってしまうが。
あと、「タミフル発売前にはこんなの聞いたことが無い」みたいなのは、今までインフルエンザ脳症や熱譫妄で死んでもそんなに注目されなかったというのに加えて、副作用疑惑が出たために監視体制が強化されて把握される症例が増えたというのがあるのかも、というのを読んでなるほどと思った。

*1:「後から何か言われたときに、何もやってなかった訳ではないと言うための言い訳作り」の一環であろうとは思うが、この注意喚起自体は悪い事ではない。まあ注意喚起の直接の対象は医師なので、彼らの説明責任が増えたわけだが。

*2:とか言ってると、稀な死亡例で「何故使わなかった」と言われそうだが。