第9話

インキュベーターさん独壇場。「世界のために死ぬ覚悟ができたらいつでも言ってね!」もはや営業トークではない。最大多数の幸福という目的のために、最適化された言動を取っているだけのキャラクターなんだろうけれども。合理性そのもの、条理の権化であるインキュベーターさんに、「条理を覆す存在」たる魔法少女は立ち向かうことができるのか。もう現役は1人しかいないけど。
それにしても、いくら魔法少女候補がいないからって、あそこまでネタバレされたまどかが契約すると思うのか、インキュベーターさん。最近影の薄い鹿目ファミリーをダシに使うくらいしか考えられない……。
と思ったが、まどかの自己犠牲的言動や願いを考慮すれば、インキュベーターさんの行動は合理的で、あながち理解できなくはないか。「僕と契約してエネルギー源にな」ることはまさに「他の人のために力を使う」こと。宇宙規模での人助けという、まどかにとっては最高の奇跡を叶える機会を用意して契約交渉に臨んだインキュベーターさんは合理的だった。一方でまどかの自己犠牲的な言動は口先だけだったわけで、インキュベーターさんにとってはそれこそ不条理な存在だわな。