心臓血管外科系ICU医師一斉退職へ 循環器病センター

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200703010095.html

国内で実施される心臓移植の半数を手がけている国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、心臓血管外科の集中治療科(ICU)に勤務する専属医師7人のうち5人が、今月末で一斉退職することが分かった。患者との意思疎通が少ない閉鎖空間での激務が医師を疲弊させたとの見方もある。同センターは今後、外科医を勤務に組み込むなど態勢を変更し、患者の受け入れに影響が出ないようにするという。

時に閉鎖空間での僕は過激でしょうか、崩壊は止めたいのです*1。ではなくて、ナショナルセンターでさえ春逃が起こったという衝撃。もう何でもありだな。朝日では医長の辞職理由が「『幅広い診療のできる施設に移りたい』など」だが、産経では「心身ともに疲れ切った」。「崩壊は止め」られるんでしょうか。
朝日

心臓血管外科系ICU医師一斉退職へ 循環器病センター
国内で実施される心臓移植の半数を手がけている国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、心臓血管外科の集中治療科(ICU)に勤務する専属医師7人のうち5人が、今月末で一斉退職することが分かった。患者との意思疎通が困難なうえ、外科医との連携も難しく、医師を疲弊させたとの見方もある。同センターは今後、外科医を勤務に組み込むなど態勢を変更し、患者の受け入れに影響が出ないようにするという。
同センターによると、昨春、40代の医長から「幅広い診療のできる施設に移りたい」などと辞職の申し出があり、慰留していた。しかし意思は固く、指導を受ける40代と30代の4人も相次いで辞職を申し出た。5人とも別々の医療機関に移るという。
同センターは心臓や血管、脳など循環器病治療では国内を代表する施設。心臓血管外科のICUは20床あり、手術後の重症患者を年間1100人以上受け入れ、24時間態勢で管理している。
ほとんどの病院は、執刀した外科医が集中治療にも携わるシステムになっているが、同センターはICUの専属医師を特化し、養成に力を入れている。八木原俊克副院長は「高度な知識と技術が必要だが、一定の空間の中で閉塞(へい・そく)感が漂う側面もある。激務だし精神面の負担は確かに大きい」と説明する。
循環器病センターで研修医時代を過ごした心臓外科医は「ICUで苦労するということは、『外科医の手術の不手際を手当てしている』ともいえ、典型的な『縁の下の力持ち』だ」と振り返る。日本集中治療医学会の平沢博之理事長は「学会として重大な関心をもっている。どういう事情があったのか、できるだけ早く把握していきたい」と話している。

産経
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070301/knk070301001.htm

国循センター、ICU医師が全員退職へ
国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、外科系集中治療室(ICU)の専属医師5人全員が、3月末で同時退職することが28日、分かった。同センターは国内で実施された心臓移植の半数を手掛けるなど循環器病治療の国内最高峰で、ICUは心臓血管外科手術後の患者の術後管理・集中治療を受け持ち、診療成績を下支えしてきた。同センターはICU態勢の見直しを検討している。
同センターによると、ICUには5人の専門医が所属。所属長の医長を含む2人のベテラン医師が辞職を表明したのをきっかけに、指導を仰げなくなる部下の3人の医師も辞職を決めたという。
ベテラン医師2人は辞職の理由を「心身ともに疲れ切った」と説明しているという。
同センターのICUが対象とするのは、先天性心疾患や冠動脈・弁疾患、心臓移植、大血管疾患などさまざまな心臓血管外科系の難病患者。成人だけでなく小児も対象とし、外科手術後の患者の最も危険な時期の全身管理や集中治療を24時間態勢で行ってきた。
ICUの入院病床は20床で、年間1100症例を超える重篤な患者を受け入れ、常に患者の容体の急変に備え、緊張を強いられる環境にあった。
同センターは、5人に残るよう慰留を続けているが、辞職の決意は固いという。
このため4月以降は、他部署からICUの専属要員を確保するものの、ICUでの患者の超急性期管理・集中治療は、執刀した外科チームが責任を持って行う態勢にすることを検討している。
同センター運営局は「特にベテラン2人に代わる人材はおらず、これまでのように執刀チームとICUの分業ができなくなる。しかし、手術件数を減らしたりICUでの管理が不十分になるなど患者に影響を与えるようなことはない」と話している。

*1:ハルヒ厨乙。ていうか、こんにちは、JASRACの者です。ちなみに全国版の記事では「閉鎖空間」は無い。