京大病院で心臓手術ストップ3カ月 収拾のめど立たず

http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY200703090344.html

昨春の手術ミスをきっかけに、心臓血管外科と他の診療科との内輪もめが表面化。心臓血管外科を取り仕切る教授が欧米仕込みの手術スタイルを持ち込み、協調を重視する日本のスタイルと合わなかったことが原因といわれる。有名国立大病院で起こった内紛。収拾のめどは立っていない。

外から見ればまさに内輪もめ。まあどこでも他科との軋轢はいくらでも抱えてると思いますが。
病院側の経緯説明が公表されてるけど、今時ガーゼカウント無視は事実ならチャレンジャー過ぎると思う。欧米とか協調とかいう問題じゃなく。他は知らん。


某神の手とお友達なんですか……。

京都大医学部付属病院(内山卓院長)で、心臓手術ができない異例の事態が約3カ月続いている。昨春の手術ミスをきっかけに、心臓血管外科と他の診療科との内輪もめが表面化。心臓血管外科を取り仕切る教授が欧米仕込みの手術スタイルを持ち込み、協調を重視する日本のスタイルと合わなかったことが原因といわれる。有名国立大病院で起こった内紛。収拾のめどは立っていない。
同病院は8日夜、運営方針を決める病院協議会を開いた。記者会見した内山院長は、心臓血管外科に安全管理体制で問題があるとし、(1)他科に比べて手術中のガーゼなどの紛失や患者体内への異物の残存が目立つ(2)再手術の頻度が高い(3)他科や看護部とのコミュニケーション不足がある――などを指摘。安全性が確保されていないとして、手術再開は決められなかった。
手術ミスは昨年3月下旬、京大病院で実施された5例目の脳死肺移植で起こった。肺の移植を受けた30代の女性は手術後、意識不明となり、10月に死亡した。
病院の調査委員会がまとめた報告書によると、手術中、人工心肺を使った血液循環がうまくいかず、血液中の酸素が不足。脳に十分な酸素供給ができなくなった可能性があるという。手術を主導した呼吸器外科と心臓血管外科や麻酔科との事前の打ち合わせがなく、患者の身体管理の責任が不明確になり、異変を見逃したと指摘している。
同病院は昨年5月、手術を担当した3科の連携に問題があったとして、肺移植手術を自粛。その後の調査で12月末、心臓血管外科に安全管理上の問題があり「最も改善すべき科」とし、心臓手術も中止した。
今月6日、手術に加わった同科の診療科長米田正始(こめだ・まさし)教授(52)は「科長を辞めることが手術再開のために必要」と通告されたとし、大学を相手に地位保全を求める仮処分を京都地裁に申請した。一方、米田教授の手術を受けた患者の家族らは同日、2501人の署名を添えて、病院に手術の早期再開を求める嘆願書を提出するなど、混迷が深まっていた。
米田教授は81年に京都大医学部を卒業。医局を飛び出し、カナダ、米国、オーストラリアの大学病院などで手術の修業を積んだ。腕を買われて98年、京大教授に招かれた。国内外で年間200件近い手術を執刀する著名な心臓外科医だ。
しかし、関係者によると、大手術は1日1件という慣行を破って米田教授が1日2件行うなど、手術部や手術後の患者管理をする集中治療室の看護師ら、麻酔科などにも不満が広がっていた。
米田教授は、朝日新聞の取材に対し、他科の医師らとのコミュニケーション不足を認めたうえで、「患者のために最善を尽くして手術に取り組んできた。安全が確保できないとか、患者の立場に立っていないと批判されることには耐えられない」と話した。