保留者ゼロ。なぜ中日の選手たちは「大幅減俸」を受け入れたのか

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131203-00000301-sportiva-base
今冬の中日契約更改に関してだいたい俺の思ったことが書かれていた。
俺がオチシンであるがゆえの、落合のやることなすこと深謀遠慮が透けて見える気がしてしまう病のせいかもしれないけど、井端大減俸事件は本当に上手いなあと思うのと、落合のいつも通りの行動原理が見えて面白かった。いや、俺だって井端の退団はかなり寂しいですよ。事情は違うけど川上みたいな逆転再契約を夢見たんだけどなあ。


まず、記事中の「落合GMは、球界のルールに則って、粛々と契約更改を進めた」にあるように、慣例や前例にはとらわれないけど明文化されたルールは厳密に守るんだよねえ。逆に悪意を持って見れば「ルールとして明文化されていなければ何でもする、ルールの穴を突いている」と言われるんだけれど。野手にコンバートした金本をシーズン途中に育成契約にしようとしたものの選手会の反発で超法規的にウェーバー公示が取り消された事件とか、CS前の全員出場選手登録抹消とか。現役時代の「自分は選手会を脱退したのに、選手会が闘って得たFA権を行使した」も色々言われるけど、それも同じような感じかなあ。「FA権取得には選手会加入が必須」なんて書いてないもんね。「それはどうなの」って思うには思うんだけど、ルールはそれを容認しているという。中村紀の育成契約もそうか。
それから、本当に落合は与えられた仕事に忠実だよね。「選手時代は銭闘民族だったのに、自分がフロントになったら厳冬更改ですか」と言われるけど、そりゃあねえ。選手なら「チームの勝利に貢献して対価をもらう」のが仕事だからその対価を最大化するためならFAも年俸調停も使っちゃうよ、「勝て」と言われて契約した監督業ならまず勝つことが最優先だから情報封鎖してでもできる限り有利になるようにするよ、「限られた予算内で勝てるチーム編成を」という条件で契約したGM業なら……こうなりますわな。コストカッターガッツ坂井前社長どころではない予算削減っぷり。「職務に忠実」という点では気持ちいいくらい終始一貫してて凄いと思うんだが。
あと、GM初仕事がコレだったのは狙ってはいるんだろうなあ、と。監督になった初年度の2月1日に紅白戦、開幕投手川崎をやった人だからねえ。「開幕戦も1/144」とか言いながら、絶対最初のインパクトを狙ってやってるよね。


去年までのフロントだったら微減で落ち着いてるんだろうし、厳しく見積もって50%減の9500万でもマジギレしながら保留越年自費キャンプ、それでも最終的には退団は無かったと思うのよ。ただ、決して戦力構想外ではないけれども、確かに年齢とか術後だとかチームの世代交代の必要性とかを考えるとその値段で契約するべきか、「限られた資金の中で」という条件で契約したGMとしては考えざるを得ないよね、という。で、減超提示で不同意だと自由契約になるわけだけど、中途半端な減額だと次のチームも年俸面で二の足を踏んじゃうよね、だったらどこかが必ず獲ってくれそうな額まで下げよう、もしそれで同意してくれるなら財政面でも戦力面でも儲けもん……という感じで、あんないくら何でも安すぎるだろ的な値段になったんじゃないかなあと。まあ、中日が9500万提示して不同意でも読売なら1億出したかもしれんけど、少なくとも選手側として自由契約を決断しやすい(せざるを得ない)額だよね。で、今季の減超提示が井端、山本昌、朝倉、山内、岩田。うん、この中で自由契約になって移籍できる可能性が一番高いのって井端だよねえ。


俺自身、5年契約の時に「38の井端とかまったく希望が見えないんだけど」とか失礼極まりないことを書いているんだけど、井端選手はそうは言ってもまだやれると思うんで、なるべく中日戦以外で活躍することを祈っています、割とマジで。かつて読売のゴタゴタで中日に流れ着いた川相さんみたいな働きを期待したい。それにしても、「38の井端」がまだレギュラーを張っていたらチームとして夢も希望もありゃしないって思ってたら、結局本当にそうだったなあ。森岡を残していたらレギュラーになっていたのかなあ。でも森岡はヤクルトに行って良かったよね。


あ、あと、数年前にフラれた小笠原さんがようやく振り向いてくれたけど、戦力的にはどうなんだろうと思いつつも少しだけ期待。ノリの時も全く期待してなかった結果が日シリMVPだったからなあ。唯一オチ査定を受けずに大型契約を結んだルナが、落合の戦力構想の中でどういう位置づけなのか気になる。


あ、もう一つ、俺的に今オフ最大のニュースは、前田章宏ついに戦力外、なのです。残念なのです。が、まさかのコーチ就任に驚いたのです。正直よく分からない人事だけど、頑張ってほしいのです。