前作は第3章「コーダイ城下町」、第4章「ジェム平原」。サブタイトル踏襲はいちおう継続中。扉絵のニケの絵柄が少し懐かしい感じ。
コーダイ王のジラン大陸探索依頼は継続していたようで。ほかに頼む当てはないのだろうか。ゲイルとか。ふたりの格好は結局いつも通り、やっぱりククリは黒系のローブに落ち着くんだな。そして三つ編み復活である。ほどいてても可愛かったけど、やっぱりククリは三つ編みだよ。シュギ村で髪を切った時だって、勇者様に再会するときは無理やり三つ編みにした人だぜ。なお、作品トップページのククリの紹介「長い髪を三つ編みにしていた」(過去形)は特に変更されていない模様。使い捨てかと思った『せかいいちのけん』はニケがちゃんと持ってるな。
懐かしのジェム平原。前作では「ゆうしゃさま、ムーンストーンをつかうのよ!」とかやってた旅立ちだが、今回はクサい感じで。「『冒険の風』よ!」とか、ギップルが出てこないのが不思議。あと、この変則的なコマの使い方はこの作者では珍しい気がする。ニケは三つ編みに気づきませんよねー。さっきの大ゴマは三つ編みの強調か。あんまりククリのアピールを放置しすぎると悪魔化しちゃいますぜ。【そんな葉はもっていない!】【だがそんな龍はもっていない!】メッセージウィンドウの有効活用。このメッセージウィンドウの出現頻度は、割と『グルグルらしさ』の要素として大きいと思うので嬉しい。
ニケに対して魔法オババは一応アドバイスをしていたようで、前作では考えなくても良かった『ククリの心が安定して魔法が使えなくなる』という事態を考慮しなくてはならなくなった。同時に、「ククリをがっかりさせるようなことはダメ」と、悪魔化方面の懸念は今作でも依然として存在するようで、前作よりもシビアなコントロールが必要という話。この辺の伏線を生かすような流れになると面白そうだなあ。アラハビカ編の再来みたいになるけど。オババが具象気体みたいなことになっているのは、まあ。
「ククリの気持ちに答えてない」、正確には「答えられていない」になるだろうか、ニケにちゃんと自覚があるのがアラハビカ編からの変化、成長なんだなあ。……という感慨を木端微塵にする、三つ編みを首に巻いたククリのいい笑顔に吹いた。ここまで気付かなかった読者も、これなら三つ編みに気づくというもの。ニケは「さむいんだろ」とか言ってますけど。マフラーを貸してもらって優しくされればハズレでも、ククリの機嫌は良くなるのね。
今回もふたりのアホアピール。キタキタおやじみたいなボケ専用機が加入すると変わるんだろうけど、2人パーティだからボケないとね。『勇者のあかし』の文面はいつものグルグル文字だけど、「字みたいなの書いちゃってるし」というのは、単純によく読まずに食ったというだけかね。
『大岩のリザーゴン』ただのおっさん。あっちから呼びかけてくるので、『勇者のあかし』にアイテムとしての価値があったのか謎である。ホクロの位置が時計回転しているのには気付かなかった。伏線かただのネタか。ニケがホクロの存在に言及しているので伏線かなあ。
ガモン将軍再登場とルビッカ失踪でクエストひとつ。『いやらしい攻撃』……ケベスベスさん出番ですよ。
「龍が見られてよかったね」「龍はもう見たんだけど」!? 「ひさびさにみつあみにしてきただろ?」!!? ニケが気付いている展開は予想できなかった。『龍の渡る風』もただ単にクサい表現を思いつきで使っただけだと思ったら、イケメンな比喩表現だった。大ゴマで三つ編みが風に流れる様子を強調したのもそのためだったとは。
……とかいうクサい展開の腰を折るギップル代わりにパンチラ。グルグルでパンチラしたのっていつ以来だっけか。ひどい名前のドラゴンでした。
ルビッカは最後の1コマで無事救出、というか、もともと加害の意図なしでした。何だろう、この辺が舞勇伝キタキタっぽさを感じさせるんだろうか?
今回はクサさが前面に出た回だった。懐古的雰囲気を大きく盛り込みつつも、アラハビカ編からの流れもちゃんと取り入れているところは良いなあ。アラハビカ編が好きなので。ニケがちゃんとククリの気持ちに応えようとしていたり、三つ編みにも気付いていたりという変化。でも、三つ編みに気付いてそれを言葉で表現しても暗喩が分かりにくくてククリに伝わっていなかったり、そもそも『ククリが久々の三つ編みに気付いて欲しがっていたこと』は分かっていなそうだったり。この辺は悪魔化方面への地雷になり得るのか、それとも魔法オババの言う『概ね現状維持だが漸次微増』路線に合致すると考えればいいのか。今作は最初からグルグルが『ハートの魔法』だって分かってるから、クサさが前面に出るのは仕方ないよね。
次はまた5週間後か……。順当にリザーゴンのイベントからかなあ。このままジラン大陸に移動するのは勿体ないので、もう少しジェムジャム大陸を引っ張ってほしい懐古厨。