第2章「コーダイ城」

サブタイトルだけ予想が当たった。前作と全く同じサブタイトルなのは、前作と見比べて楽しんでね!ということだろうか。扉絵の店内を覗き込む構図は、コーダイ城下町というよりアラハビカなイメージ。前作後半ではほとんど無くなっていた、【近すぎだった!】みたいなメッセージウィンドウ(CV:横尾まり)によるツッコミが懐かしい。ニケのこういう意味の分からんボケも、後半戦はあまり無かった気がするなあ。ニケは『世界に対するツッコミ役』として勇者の地位を確立したせいかね。前作ではククリの「勇者様!」に石になっていたニケだが、今作ではニケの行動にククリが赤面している。王様の「正直に言おう」は前作の「正直が好きだ」を踏まえた言葉か。やっぱりニケにとっては、旅立つのは『ククリのため』という要素が大きいんだな。『新しいグルグル』については、魔法オババだけでなく、デリダとかワンチンとか両親とかに聞いてもいい気がする。魔法オババの家も一通りセルフパロ。リフォームされました。懐古厨大喜び、だが「ええまあ…」としか言いようが無い。結局のところ『乳者様』は『勉強がイヤ』が主な原動力という解釈で確定か。今作のグルグルは前作のグルグルと異なる可能性に言及されているので、設定としては事実上リセットと考えていいだろうか。前作と設定が違っても矛盾しない構成。『魔法陣の杖』は相変わらず可愛くないという評価だが、方向性が全く変わってしまっている。『ねじまきしっぽの杖』は可愛いな。どことなくニコピョンマークっぽい。今回はククリに関するニケのモノローグが多い印象。一方のククリは「この杖でいっぱい魔法陣描こう」と決意表明しているが、旧グルグルのように指で描くことはできないのだろうか。いやまあ杖で描いてくれた方が絵的に好きなんだけども。なお、ククリにとって魔法陣とは自己表現でありニケへのおしゃべりである。まさかここでククリがファッションショー始めるとは思わんかった。媚びているのか。大歓迎だけど。やっぱりククリはメケメケのローブだよね、と思わんでもないが。そういえば前話の制服から何の断りもなく着替えていた。「朝イチでお城にいくからまかせといて!」どう見てもフラグ。と同時に、違和感を持ってしまった。シュギ村やパンフォスを除いてほぼ寝食を共にしていた二人が、今作の現段階では別々に生活しているのだということを改めて意識させるセリフ。同じジミナ村から城に行くんだから待ち合わせて行けばいいじゃんってのは、オチのためには無力な指摘か。というか、ニケとククリの仲が進展しないのは、ククリがオババの家に住んでいて、そこにニケが寄り付かないからじゃないのか。そしてもう一つニケのモノローグ。これも前作後半はあまり見られなくなっていたニケのスケベ心。口に出さなくなっただけ、前作序盤よりは大人になったと言えるのか。ケベスベスさん、出番ですよ。新キャラ、ルビッカとガモンは一発ネタか、今後継続して登場するか。乱入キャラとしてそれなりに動かしやすそうではある。レベル2に対して「レベル低っ!!」というニケさんですが、旅立ちはレベル1、きりなしの塔攻略時でレベル3。お前が言うなである。グルグルのレベル感覚だとレベル50は化け物クラスじゃないか。「短剣を買った」懐かしいですね。ノープルプルって何だ。ちょっとだけランヤランカのエピソードと重ねられなくはない。ニケに若干グラディさんの雰囲気が乗り移っているな。ところでキラキラは使わないんですかね。『魔法陣の杖(大人)』に対して「(買う人が)いるとしたら天下一の変態」と言い切ったニケがこの有様、というネタなんだろうけど、変なかっこうというのもかつてのニケの十八番だった。闇魔法結社とか。剣は忘れたといっても、ジミナ村ならすぐに取って来られる範囲だが。ククリのフラグもきっちり回収し、「トッピロキー」で懐古厨さらに歓喜。この二人のやりたい放題感も、前作序盤の雰囲気。そしてニケは「ゆうしゃ」から「ただのアホ」に転職してしまった*1。「一日にして正反対の立場」ってのは、「勇者とただのアホな子」から「ただのアホと魔法使い」になってしまったというククリとの関係性のことかね。王様からの依頼が白紙に戻ったことで、ニケの旅立つ理由はククリを喜ばせるためだけになった。但し、称号は『ただのアホ』。さて、敢えてルビッカで締めたけど、どうつなげるかね。前作と同じサブタイトルなら次は第3章「コーダイ城下町」だが……。当面の興味は、ジラン大陸に渡る前にジェムジャム大陸の町やダンジョンは再登場するのか、大陸間移動はどうするのか、ヨンヨン召喚できるのか、あたりか。戦闘はまだかね。あと、現時点では前作序盤の雰囲気を強く意識しつつセルフパロディも多い懐古モードだけど、これが一段落した後にどういう新しい話を見せてくれるのか、という点かな。

*1:厳密にはグルグルの世界では「勇者は職業ではない」が